京都国際映画祭トロフィーについて
作品銀滴彩のアップ
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牧野省三賞、三船敏郎賞、モスト・リスペクト賞受賞者に贈呈するトロフィー「滴のウツワ」は、陶芸・美術作家の近藤高弘さんが、銀滴彩(特許取得)というオリジナル技法にて制作したもの。
滴は、循環・浄化・再生の象徴イメージであり、その滴がしたたるウツワは、単に使うためのものではなく、日本人の「もののあわれ」の概念を内包した美術となります。
空なる和(ウツワ)は、現実(ウツツ)と虚(ウツロ)とを移ろい、モノ(魂)が出入りする依り代でもあります。
京都の街は、人の器量や美意識が試されるいわばウツワ(空間)。その中で、国際映画祭が開催され、発展していくことを期待し、このトロフィーを制作しました。
陶芸・美術作家 近藤高弘
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1958年京都市に生まれる。祖父に磁器染付の人間国宝・近藤悠三。エジンバラ・カレッジ・オブ・アート修士課程修了、文化庁派遣芸術家在外研修員、京都市芸術新人賞受賞、Inglis Allen Masters賞受賞。陶の素材・技法を基軸に、土・ガラス・金属などの作品を制作し、国内外の展覧会やアートフェアーなどで作品を発表している。
主な展覧会に、スコットランド国立博物館(エディンバラ)の個展、中国青花と現代日本近藤染付展(北京故宮博物院・紫禁城)、Barry Friedman Gallery(ニューヨーク)個展、コンテンポラリー・クレー(ボストン美術館、NYジャパン・ソサエティー)、「変容の刻」パラミタミュージアム、成羽美術館、京都芸術センターにて個展巡回。主なパブリックコレクションに、スコットランド国立博物館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館など多数、本年ミネアポリス美術館に大作が収蔵される。