10月18日、元・立誠小学校では、日本が世界に誇る“アート”ともいうべき京都の伝統工芸が体験できるさまざまなワークショップが開催されました。
その中のひとつ、「香道」のワークショップには、海外からの参加者も詰めかけ、歴史ある“香りの芸術”を楽しみました。
講師は、香木を中心にお香製品を扱う京都市中京区の老舗「山田松香木店」の三浦範子さん。
ナビゲーターは京都国際映画祭の「アート部門」総合プロデューサーである、おかけんたが務めます。
まずは、香木とは何かを知るレクチャーから。
三浦さんがお店から持って来ていただいた「伽羅」は代表的な香木のひとつですが、年月をかけて木が化石化したもので、芳しい香木として完成するまでになんと数百年はかかるとか。
その香りをスイスから来たという女性が体験してみることに。
「おいしい匂い」というなんともユニークな感想に、けんたは得意の“ええ声”で「ヨロレイヒ〜」と感激の雄叫び(?)を。
「遠いところからよく来てくれたね」という気持ちを、スイスだけに「ヨーデルで表現した」というけんたに、場内から笑いが起こります。
そんななごやかな雰囲気の中、参加者のみなさんは、平安期に生まれたという「香道」を三浦さんの指導で体験。
香炉の中で小さな香木を焚いて顔に寄せ、手で軽くあおぐようにして香りを楽しみます。
香道ではこの行為を「香りを聞く」と呼び、「香りを理解する」という意味もあるとか。伝統に育まれた“香りの道”の奥深さを感じさせるお話に、みなさんは興味深く聞き入っていました。
そしていよいよ、このワークショップのメインイベント、香りをブレンドして作る「匂い袋作り」体験です。
それぞれのテーブルには、“白檀”や“桂皮”“丁字”など古くから伝わる8種類のお香がズラリ。まずはこれらを、三浦さんが教える基本の調合で混ぜていきます。
香りのベースとなる白檀をスプーンに6杯、甘い香りの桂皮を2杯……などそれぞれの分量は決まっているのですが、大胆にたっぷりとお香を投入する人、少しずつ注意深く混ぜていく人などそれぞれの個性によってまったく異なる香りに! この意外な結果にはけんたも「同じと思ってたのに全然違う! 不思議やわ〜!」と仰天し、香りの世界のさらなる魅力にすっかり引き込まれていました。
最後はそれぞれのオリジナルブレンドの香りをかわいらしい巾着袋に入れ、世界にひとつだけの「マイ匂い袋」が完成!参加者のみなさんも「楽しかったです!」「ぜひお店にも行ってみたい」と初めての香道体験に大満足の様子でした。