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『ドロップ』舞台挨拶に品川ヒロシ監督と宮川大輔、レイザーラモンHGが登場!迫力満点のアクションシーンの裏側を赤裸々に語る!

2014-10-17
レポート
10月17日(金)、イオンシネマ京都桂川でオール・アバウト・品川シネマ『ドロップ』が上映され、上映後に品川ヒロシ監督と出演者の宮川大輔、レイザーラモンHGによる舞台挨拶が行われました。
『ドロップ』は、いまや映画監督としても高い評価を受けている品川ヒロシ監督が自伝的小説を元に初めてメガホンを撮り映画化した監督デビュー作。
不良に憧れて公立高校に転校したヒロシとその仲間たちによる、笑いあり、涙ありの破天荒な青春映画です。

上演後、スクリーンの前に並んだ品川ヒロシ監督と宮川大輔、レイザーラモンHGに温かい拍手が贈られました。まずは品川監督からご挨拶。
「8年ぐらい前に撮った『ドロップ』を、こうしてまた観に来ていただいて、京都国際映画祭で品川シネマというのを組んでいただき、本当にありがたいと思っています」と語りました。
宮川は、「『ドロップ』は、品川が監督としてガーッと行く、第一歩目の作品。
それに参加させていただけてすごくうれしいです。僕はいろんな監督の作品に出演させてもらっていますが、なかでも品川の作品はとくに楽しいです。空気の作り方とか膨らませていく方法がうまくて、本当に芸人ならではやなと思います」とベタ褒め。
レイザーラモンHGは、「僕がどこに出ていたか、わかりましたか? 撮影当時よりだいぶ風貌が変わりました。今は『ドロップ』に出演した頃から20㎏近く痩せたので」とHG。
当時、HGはプロレスに打ち込んでおり、体重は92㎏。
今では72~73㎏まで落としたのだとか。さらに「あの頃は素顔もあまり晒していなかったので、せっかく出演させてもらったのに『どこに出てたの?』と言われるのが多くて残念やったんです。だけどDVD化もされて。子供たちに見せています」と語りました。
初の監督作品への思いを、品川監督は「1本目だし、自分の体験した話を元にしているので、二段階で思い出があります。『初めて映画を撮った』という思い出と、『中学時代のヤンチャだった頃』の思い出が二段階でふり返ることができるから、ノスタルジックに浸れるんです。今もたまに見ていて、とくに新しい映画を撮るときに見ます。自分が原点に立ち返るのにいいですね」と自身のバイブルにもなっていることを明かしました。
制作の際の知られざるエピソードも。
「大輔さんには、小説を書き終わって、本になる前に原稿を読んでもらったんです。すると大輔さんから電話がかかってきて、まだ映画になると決まっていないのに『オレ、ヒデくんやるわな』と言われて(笑)。それがすごいうれしかった」と語りました。
その後、映画化の話が進み、キャストを決める段階になって、「キャストには年齢の設定があるので、ヒデくんが大輔さんだと年齢が飛び抜けて上がってしまうので…。でも出演してほしかったから、大輔さんを思って小野くんという役を書きました」と打ち明けました。
大輔は「ストーリーを膨らませてくれて、本当にありがたい」と感謝感激。
宮川は、セリフが標準語だったことに苦労したよう。
「病院で成宮くんと話しているシーンで、何度も失敗したセリフがあって。関西弁では『ウンコ(アクセントなし)』なんですが、標準語では『ウンコ(“ウ”にアクセント)』なんですよね。
で、僕が標準語で一生懸命話していても、品川くんが『大輔さん、そこは“ウ”ンコです』というやりとりが何回もあって。だんだん腹立ってきて、『ええやないか!』と」。
品川監督も「真剣に、15~16回ぐらいやりました」。病院でのシーンは品川監督にとって思い入れの強いシーンのひとつ。「シリアスな場面でウンコの話をするというのが逆に涙を誘う、という大事なシーンだから、本当に真剣でした」と、宮川とその場面を再現。こっけいなやり取りに、思わずお客さんからも笑いが。
また、神社でのケンカシーンも思い出いっぱいの様子。
品川が語ります。「ドロップキックしたあと、普通だと地面にマットを敷かないといけないんです。でも僕は、ドロップキックしたあとにカットを割るのが嫌だったんです。だから、HGを起用しました」。
HGの役どころは、最強のヤンキー中学に通う、その中でもとくにケンカの強い加藤という不良。
「品川さんに、『映画を撮るんだけど、お前、マットなしでドロップキックできるか?』と尋ねられて『できます』と言ったら、『じゃあ出てもらおうか』と。そういうオファーのされ方でした」と出演決定の裏側を告白。

品川監督も「HGはとくに苛酷だったと思います。プロレスもやっていましたが、ケンカの舞台はリング上ではなくファミレスとか神社だったので」とねぎらいます。
また、HGの肉体美をさらによく見せるための工夫も。「撮影前、『肩をもっとパンプさせろ』と言って、監督が肩の筋肉を張らせる作業を手伝ってくれたんです」と意外な裏話も飛び出しました。
主演の成宮寛貴さんの印象を語るひと幕も。
「成宮くんは明るいですね。ヒロシって映画のなかで一番僕っぽいので、ずっと僕のことを見ていましたね。だから、しゃべり方とか歩き方もだんだん僕っぽくなっていって、それはすごいなと思いました」とも。
また、宮川は品川監督の手法を「そのときのひらめきがありますね。おにぎりを食べるシーンでも『おにぎりと一緒にタバコを吸ってみましょうか』と、要求されることが毎回変わるので、やってて飽きないし新鮮ですね」と語りました。
その言葉を受けて、品川監督は「大輔さんはいつも一回目がすごくおもしろい。変なことを突然言うと、頭の中がゴチャゴチャッとなって、すごくおもしろいものが飛び出してくるんです。だから、大輔さんがそろそろOKテイク出すだろうなという頃を見計らって、新しいことを言いに行ってました」とまさかのカラクリが。
宮川は「僕としてはまとめたいんですけど」と言うと、「大輔さんにはまとまってほしくないんです! 自由な大輔さんが見たいんです」と品川監督。宮川への愛を感じるひと幕でした。
「逆にHGは、訓練に訓練を重ねていました」と品川監督が言うと、「僕は演技指導というより『体を仕上げてこい』とか、アクションシーンをすごく指導してもらいました」とHG。
「バットとか本気でいってますもんね」と宮川が言うと、品川監督も「あのときは本当に狂ってました(笑)」とふり返ります。
工場でのケンカシーンでは、なんと品川監督自ら体を張ったそう。
「みんな優しいから『もう、オレがやる!』って言って、マスクして特攻服を着てただ思いっきり蹴飛ばして(笑)。そうするとみんな、たまらなくいい顔をするんです」とニヤリ。
鍛え上げられた肉体で挑んだHGも「あれは怖かった…」とポツリ。迫力満点のケンカシーンの真実を知り、お客さんたちも驚きが隠せない様子でした。