10月17日(金)、イオンシネマ京都桂川にて、特別招待作品『福福荘の福ちゃん』が上映されました。
上映前に行われた舞台挨拶には、藤田容介監督と、応援芸人のスリムクラブが登壇。見どころや撮影時のエピソードなどを語りました。
森三中の大島美幸が男性を演じていることで話題のこの作品は、世話好きだが女性に奥手な福ちゃん(大島)を主人公に描く、笑って泣ける人情ストーリー。
カナダ・モントリオールで開催された第18回ファンタジア国際映画祭では、大島が最優秀主演女優賞を受賞するなど、日本はもとより世界でも高い評価を受けています。
藤田監督は「(京都国際映画祭に参加できて)うれしいです。昨日のセレモニーでは芸妓さんのお踊りがあったりして、おもしろい映画祭だなと思いました」と映画祭の印象をまじえて挨拶。
そんな藤田監督の力に少しでもなろうと、「全生命をかけて応援したい」と意気込む内間でしたが、真栄田からは「命、と言わないところが彼なりの工夫なんですよ」とツッコまれ、会場からはさっそく笑いが。
まずききたいのは、やはり大島の“男役”ぶりですが、起用の理由について藤田監督は「テレビで見ていると、大島さんは相撲をとったりして豪快なイメージだけど、何かちょっと繊細な感じもした。きっと立体的に人物を描けるのではないかと思ったんです」と説明。
実際に撮影に入ってからは「もちろんできると思ってお願いしたが、思っていた以上の出来栄えでした」と絶賛します。
真栄田によると、普段の大島は「気ぃつかいでやさしい人。地方の営業は小さい車に乗って行くこともあるんですが、一緒になるとお菓子を配ったり『暑くない?』とこまめにきいてくれたり」するそうで、藤田監督が抱いていた「繊細」という印象は間違っていないとのこと。
先日はイタリアでも上映され「(反応が)すごくよかった。『こんなに細かいことまでわかるのか!』というところまで伝わっていた」(藤田監督)という話を聞き、「すごいな〜! またあの人にいっぱいお金が入ってくるんだろうな〜(笑)」と羨ましがるふたりでした。
現場での大島については、「真栄田さんもおっしゃっていましたが、気を遣う人。差し入れもしてくれるし、座長としての気配りが行き届いていた。やはり芸人さんの世界で揉まれてきているだけあるなと思った」(藤田監督)。
芝居に対しても「魂がこもっていた」といい、「全身で異性になりきっていた。役になりきるため、撮影中は家でもベッドではなく床に寝ていたそうです」という仰天秘話も! ちょうど『24時間テレビ』でマラソンに臨んだ直後に撮影入りしたため、いったん絞った体から、再び8〜9kgの増量にも挑戦。そんな姿に「あそこまでやってくれて、すごい役者魂」と藤田監督も脱帽していました。
なお、せっかく藤田監督と知り合えたということで、スリムクラブからは「ぜひ映画に出たい」と熱烈な売り込みも。
内間は「普段できないことをやりたい。殺人鬼とか凶暴な役を!」と志願。
藤田監督からは「味のあるふたりだし、コントをやっているからお芝居もいけるはず。『福福荘の福ちゃん』の世界にそのまま入っても違和感がないのでは」と太鼓判をもらい、大喜びしていました。はたしてふたりの夢は実現するのでしょうか!?
最後には「まず大島美幸を見てくれ、彼女が演じた福田辰男という人物を見てくれ、と。
この作品では抽象的なテーマではなく“人間”を見てほしいと思います。(女性が男性を演じるということで)キワモノに見られているところもあるが、真面目に作ったコメディです」と熱いメッセージを送った藤田監督。
スリムクラブのふたりも「お笑いとは違う大島さんの一面を楽しんで」と改めてアピールしました。