ニュース

イーストウッドに敬意を払い、COWCOW、清水圭、ミルクマン斉藤さんが集結!

2014-10-17
レポート
17日、クリント・イーストウッド氏がモスト・リスペクト賞を受賞したことを記念して、映画『グラン・トリノ』の上映会がよしもと祇園花月で実施。この日はゲストとして、COWCOW、清水圭、そして映画評論家のミルクマン斉藤さんが登壇しました。

京都国際映画祭では、世界的に著名な俳優や監督を讃え、敬意を払うために「モスト・リスペクト賞」を設立しました。今回、初となる記念すべき受賞者は、俳優、監督として大成功をおさめ、80歳を超える今なお、現役の映画監督として、世界の映画関係者、映画ファンに多大な影響を与え続ける、クリント・イーストウッドさんです。
 
この日上映された『グラン・トリノ』は、イーストウッドさんが2009年に発表した衝撃のドラマ。イーストウッドさんが演じるのは、元軍人の頑固で偏屈な老人コワルスキー。まわりの人たちに罵声を浴びせるなど、心を閉ざしていた彼は、ひょんなことから彼の愛車グラン・トリノを盗もうとしたモン族の少年タオと交流を持つようになる……という物語です。

本作を3回観たという清水圭に対して、COWCOWの2人は本作を始めて観たのだとか。衝撃的なクライマックスであるこの映画に、善しが「まったく予測してませんでした。(『グラン・トリノ』というタイトルから)もっとカーレースがある映画かと思った」と感想を述べると、清水圭が「グラン・トリノは排気量が大きくて、不器用な車なんですよ。つまりは、イーストウッド演じるコワルスキーの性格に通じている。80年代くらいはあまりかっこいいとも思われなかった車だと思うんですが、この映画のおかげで人気を集めているみたいですよ」と豆知識を披露する一幕も。

さらに「この映画が制作されたのが2008年」と切り出したミルクマン斉藤さんは、「ちょうどアメリカの大統領がブッシュジュニアで、彼の任期の最後の頃でした。映画の中でもモン族のお母さんが、『白人が住んでいないのに、いつまで住むんだ』というセリフがありましたが、当時はデトロイトという街が閑古鳥になって、どんどん廃墟になってしまった時代です。もとから(自動車会社の)フォードで働いていた白人が、やっと家が買えたのに、まわりに白人が少なくなってしまったことを反映しているんですね」と時代背景を説明。さらに「そして2008年というのは、イラク戦争の後。直接描いているわけではないですが、あの戦争は正義だったのかということをイーストウッドは言っているんです。大義のない戦争に決着をつけようとしているわけですね」と付け加えたミルクマン斉藤さんの解説に、3人も「そこまで観ていたんですか……」と感心した様子を見せました。

本映画祭では今後『父親たちの星条旗』のほか、『ダーティハリー』『許されざる者』といったイーストウッド氏の代表作を上映させていただく予定になっていますので、お楽しみに!