牧野省三賞
牧野省三賞は、日本映画の父と呼ばれる京都の映画人・故牧野省三の遺徳を偲び、日本映画の発展に寄与した後進映画人を表彰する目的で1958年に「マキノ省三先生顕彰会」によって創設されました。
第1回から第19回までは「京都市民映画祭」の年間選奨とあわせて選考・表彰が行われ、第20回(1978年)からは東映太秦映画村にこの事業が継承されました。以降、多数の選考委員による投票制度が採用され、また、1982年に太秦映画村の映画文化会館に「牧野省三賞コーナー」が設立されるなど、賞は順調に発展を遂げてきました。その後、1990年に選考制度が改正され、少数の選考委員による合議制度となりました。
1997年に第1回「京都映画祭」が開催されると、京都市民映画祭の特別個人賞として始まった本賞は、初心に帰るという意味をこめて、第40回(1999年)から「京都映画祭」にあわせて受賞者が発表されるようになりました。
そして、2014年。この歴史ある賞を、「京都国際映画祭」が継承し、第47回牧野省三賞の受賞者を発表するとともに、映画祭中に授与式を実施いたします。受賞者は、有識者や過去の受賞者等に広く調査し、それを基に、選考委員によって慎重な選考を行います。
三船敏郎賞
三船敏郎は『羅生門』『七人の侍』『用心棒』『赤ひげ』などの黒澤明監督作品や、『無法松の一生』『風林火山』といった稲垣浩監督作品などで知られる、戦後の日本映画を代表する大スターです。
彼の主演作は次々と国内で記録的な大ヒットを遂げただけでなく、海外の映画祭でも多くのグランプリを獲得し、今もなお世界的な評価は高く、国内外の映画人たちから多くの尊敬を集めております。特に、その日本人離れした躍動感あふれる野性味、高い身体性を利した壮絶なアクションは、世界の映画表現・演技において革命的な影響を与えてきました。
今回、京都国際映画祭を開催するにあたり、「三船敏郎賞」が新設されました。彼は主に東京で製作された映画作品に出演してきて、京都との所縁の薄い俳優でした。それでもあえて、彼の名を冠したのは、三船敏郎の活躍してきた軌跡がまさに「再び日本映画が世界に打って出るための発信拠点を目指す」という本映画祭の主旨に合致したからに他なりません。
本賞は、日本映画界を代表する方々で構成される審査会により、国際的な活躍を期待される俳優を表彰します。全ては、三船敏郎のように世界に誇れる大俳優の登場を応援するためです。
モスト・リスペクト賞
京都国際映画祭では、世界的に著名な俳優や監督を讃え、敬意を払うための賞を設けます。
初の記念すべき受賞者は、俳優、監督として大成功をおさめ、80歳を超える今なお、現役の映画監督として、世界の映画関係者、映画ファンに多大な影響を与え続ける、クリント・イーストウッド氏へ贈らせて頂きます。
本映画祭では、それを記念し、『ダーティ・ハリー』『許されざる者』 『父親たちの星条旗』『グラン・トリノ』の4本を上映させていただきます。
モスト・リスペクト in Paris 賞
1957年(昭和32年)パリ市会理事部で両市の友情盟約締結が承認され、京都市も京都・パリ友情盟約の成立を宣言しました。
今回の京都国際映画祭を記念し、この賞を設け、パリ出身のイレーネ・ジャコブさんに授与させていただきます。カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞され、世界各国の名匠・巨匠の監督に請われ数々の名作に出演した彼女は、まさに芸術の都パリを代表する映画人と言えます。本映画祭では、それを記念し『ふたりのベロニカ』『トリコロール 赤の愛』 の2本を上映させていただきます。
オープニングプレミア上映
オープニングプレミア上映として2015年春公開予定の「at Home」を先行上映します。
特別招待作品
「特別招待作品」は、これから公開を控える話題作などを中心に、バラエティ豊かな作品をラインナップしています。劇場公開に先駆けて一足早く、京都国際映画祭のスクリーンに登場します。
特別上映
特別上映として、「サイレント映画特集」「おもちゃ映画とちびっ子ギャング」「京の映画」「大魔神上映特集」4つの特集をでお送りします。
サイレント映画特集では、世界の喜劇映画の原点を探る三つのプログラムからその魅力に迫ります。
おもちゃ映画とちびっ子ギャングでは、玩具映写機用に切り売りされた無声映画の断片で子どもから大人まで楽しんでいただけます。
京の映画では、海外の人から見た日本、京都という街を、スクリーンを通じて紹介します。
大魔神上映特集では、京都が生んだ特撮映画の代名詞的な映画「大魔神」をご紹介します。
内田裕也ロックンロールムービー 2DAYS
内田裕也プレゼンツ!伝説の2作品、崔洋一初監督作品「十階のモスキート」、滝田洋二郎初監督作品「コミック雑誌なんかいらない!」を緊急上映いたします。
迫力、珠玉のキャスト!必見!
オール・アバウト・品川シネマ
哀川翔芸能生活30周年記念作品『Zアイランド(仮)』公開が控える品川ヒロシ監督のレトロスペクティブ上映を開催いたします。
作品上映に加え、キャスト&スタッフの方々のトークを通して、品川映画の魅力を掘り下げます。
TV DIRECTOR‘S MOVIE
第2回沖縄国際映画祭より始まった「TV DIRECTOR‘S MOVIE」は、既存のジャンルに捉われない意欲的な作品作りを目指す、テレビ放送局と吉本興業による共同制作プロジェクトとなります。 平成26(2014)年度からは、一部作品の企画段階からイオンシネマ(イオンエンターテインメント)さまにも参画していただいております。このコラボレーションにより、「制作」「配給」「上映」までのシームレスな仕組みを作り上げ、映画界の新たなる潮流となることを目指しています。京都国際映画祭期間中には、イオンシネマ 京都桂川(10月17日~)での上映が決定。本プロジェクトの充実した作品群を沖縄に続いて、いち早く一挙にご覧いただけるプログラムとなっております。